私の母は有料老人ホームに入所中に、施設職員が置き忘れた洗濯用洗剤を誤飲した事による化学性肺炎で急死しました。82歳でした。
母は75歳頃から認知症を患い、認知症状は緩やかに進行していましたが、2021年5月に父が新型コロナウイルス感染症により急死し、環境が著しく変化した事をきっかけに、認知症状が急激に進行しました。
当初は家族で協力しながら在宅で介護をしていましたが、異食や徘徊が多くなり在宅で介護を続けることが困難となり、2022年末に有料老人ホームの入居を決断しました。入居の相談の際には異食や徘徊についての安全対策を強く希望し、施設側も承諾した上で入居しました。
施設に入居した頃はコロナ禍であり、面会制限が設けられ、施設内へ立入ることも出来なかった為、施設内でどのような安全対策がとられているのか分からない中、入居して4ヶ月程たった頃、ハンドソープを誤飲したと施設から連絡が入りました。受診の結果、経過観察となりましたが、施設内での安全対策に疑問を持ち、再発防止を強く訴えました。
施設側からは「異食、誤飲等を100%防ぐことは難しい」との返答でしたが、結局100%どころか、有効な安全対策も再発防止策も取られることはなく、単なる職員の置き忘れというケアレスミスによって、母は洗濯用洗剤を誤飲してしまい、入居して半年足らずで、ある日突然帰らぬ人となりました。
本当ならば、その翌週には、一緒に外出する予定でした。
施設に入居して半年、コロナも5類に分類され、各施設は面会制限が解かれる中、入居していた施設は引き続き外出制限を強いており、母は入居して以降、施設から一歩も出ることが出来ていなかったのですが、受診であれば外出可能ということだったので、久しぶりに母を車に乗せて一緒にドライブしよう、馴染みの町の景色を見せてあげよう、住み慣れた我が家にも連れて行ってあげようと思っていた矢先でした。
ガラス越しの面会に行く度に、「一緒に帰る」と言って、職員に両脇を抱えられ制止されていた姿を思い出す度に、施設に入居を決めたことを後悔し、強い罪悪感が残りました。
死亡事故後の施設の対応は全く誠意に欠けるものであり、状況説明もこちらから促してやっと応じるような無責任な対応でした。損害賠償の話も施設からはありませんでした。
施設の対応に不信感、憤りを覚え、インターネットで介護事故を検索し、複数の弁護士事務所に問い合わせをした中で、介護事故対応の経験が豊富であり、レスポンスが早く、一番誠実であった甲斐みなみ先生に相談をする事にしました。
甲斐先生は相談しやすいお人柄であり とてもお話ししやすく、損害賠償請求の流れや、賠償金額の見通し、かかる期間等の説明などを分かりやすく説明してくださいました。
甲斐先生に助言を頂きながら、施設の介護記録や事故報告書などの資料を集める中で、家族に報告されなかった数々の介護事故があったことも知ることができました。
経過や施設側からの返答なども、常に早い対応で連絡を頂き、相談してから10ヶ月程の間、一度も不安を感じる事無く、とても心強い存在であり、信頼できる味方でした。
経過の中で、施設からは「施設での暮らしは難しく退去の方向で話をしていた」と責任を逃れようとするような主張もありましたが、施設からそのような話しをされた事実は無く、施設の姿勢に憤りを感じる事もありました。
また、保険会社からは、死因と誤飲の因果関係を疑うような調査や、母の命を軽んじているとも受けとれるような損害賠償金の提示など、遺族感情を逆なでされるようなやりとりもありました。
ですが、常に甲斐先生が私たち遺族の心情を汲み取り親身になって交渉してくれたことで、最終的に施設には本事件に対する謝罪と再発防止に努めることを約束させる事が出来、また、損害賠償金においても納得のいく金額で早期に和解をすることが出来ました。
本来ならばもっと生きる事ができたはずの母の命は、残念ながらもう帰ることはなく、私が母を施設に入居させてしまった事への罪悪感から解放される事はありませんが、せめてもの償いに、母が遺したものを 母が愛してやまなかった私の子供たちの未来へと繋ぐ事が、母の一番の願いではないかと思っています。
10ヶ月という早期で、訴訟をせずに、訴訟提起した場合と同程度の賠償額を得られ、納得のいく和解が出来た事は、甲斐先生の豊富な経験と知識があったからこそだと大変感謝しております。
私と同じ思いをする人が、一人でも多く甲斐先生のような素晴らしい先生と出会い、問題の解決に導かれることを願います。
甲斐先生のこれからのご活躍を心よりお祈りしております。
本当にありがとうございました。
(大阪府 M・F様)